真・美味しいステーキの焼き方@家で簡単に焼く方法100の嘘

真・美味しいステーキの焼き方@家で簡単に焼く方法100の嘘

手軽に美味しくステーキを焼く方法ですと?

基本、料理に関してはインターネットの情報を利用する事はほとんどなく、ちゃんとした料理本を買う筆者で御座います。

勿論、ちゃんとした料理本とは”料理研究家””ブロガー”が書いた本ではなく、ガチに第一線でシェフとして活躍している方達の本でして、確かに1500~2500円くらいするので安くは無いのですが、その分中身は”役に立つ知識”が多いので、お値段以上の価値はあると断言しておきましょう。

しかし!

まあ、大抵の人は”ネットで検索すれば無料”みたいな感じでして、あまり書籍を買う人は少ないと思われ、結果としてネットの料理情報は”無法地帯”とも呼べる有様で御座います。

大袈裟に言えば某サイトが医療系の記事で大炎上したのと同じ感じでして、まあドイヒーなレシピでも圧倒的な数がある為、結果としてそのサイトが検索上位に上がる現実……まさに悪夢の再来かなと。

ま、料理って絶対的なモノはないので、作った人が「美味しい!」って言い切ったら勝ちな面はあるんですけどね……。

つまり、ネットのレシピとかハウ・トゥー系は相当な数の地雷があると思って頂ければ幸いで御座います。

まず道具を揃えろ!話はそれからだ!

例えば料理の中で一番簡単そうな”ステーキ”とか、どうでしょう?

「フライパンで簡単!激ウマ!」とか「家庭でも出来る美味しい焼き方!」みたいなのが、ネットで検索すると上位に溢れていますよね?

まあ、ぶっちゃけダメですわ。

肉が好き過ぎて猟師をやってる筆者に言わせて頂けるなら、あえて言おう!

「それ、言うほど美味しくないよね?」

ただ単に検索する時に使うワードを狙ったクソ記事でして、「美味しいステーキを家で食べる!」と言う当初の目的の半分も満たしていないと思います。

あ、ちなみに料理の事書くと長いんで、なんなら”枕”は飛ばしても生きる上で問題ないと思います。

で、そもそもが家にあるテフロン加工のフライパンを使ってですね、スーパーの安い肉を美味しく調理出来るなら、誰も外でステーキなんか食べないと思うんですよね。

プロですら、ちゃんとした道具と材料を使っているのに、素人が家にある道具で安い肉を調理したって、絶対に美味しいステーキにはならないんです。

それら「家でも簡単に美味しいステーキが食べられる」系のクソ記事は、言うなれば

「100メートルを出来る限り早く走れる様になりたい」

と言う人に対し

「家にある走りやすい靴を履いて走ってみましょう!」

くらいのクソアンサーなんですよね。

じゃあ、お前はなんて応えるんだよって言われたらですね、まずは

「プロと同じシューズを買いに行って下さい」

と答えますね。話はそれからです。

結果、美味しいステーキを食べたければ、まずは鉄板を買って下さい。

鉄板と言ってもバーベキューで使う様な奴ではなく、8㎜とか10㎜くらいの厚さがある鉄板の事です。それ以外は論外です。

筆者も”鋳鉄製”の鉄板やスキレット等、様々な道具を試しましたが、最終的にはコチラの極厚鉄板に落ち着きましたね!

無論、究極的にはチャコール(炭)で焼くのも正解ですが、鉄板のステーキと炭火でグリルっちゃうのは、ちょっと別物ですので、ここでは鉄板で焼くステーキの話にしておきます。

肉はアメリカンサイズに限る!

そして!

美味しいステーキを食べるなら、やはり素材と言うか”肉”で勝負が8割くらい決まっちゃう可能性は否めないでしょうか?

まず、アメリカンサイズの意味が分からないと思うので、筆者の定義を説明しますと

「厚さ1インチ(約25㎜)、重さ1ポンド(約450グラム)以上をアメリカンとす!」

みたいな原則があります。

つまり、薄っぺらい肉を用意した所で、どう頑張っても美味しいステーキにはならない可能性……あると思います。

確かに牛肉は値段がシビアなので、このアメリカンサイズの肉を用意するとなると値段もそれなりですが、頑張れば千円チョイで用意出来るので、そこは頑張る方向でお願いします。

ちなみにステーキに向いている牛肉ですが、やはり日本人だと”和牛”こそ至高と思っちゃうかもですし、それはそれで確かに美味しいのですが、ぶっちゃけ和牛の場合は超絶レアに焼けば良いだけなので、あまり「美味しいステーキの焼き方」みたいなのには向いてません。

そしてレアの定義ですが、一般的には「血が滴るくらいの生」みたいな間違った認識がありますが、ステーキと呼ぶのであれば「肉の中心が人肌(40度くらい)になった肉塊」の方が正解ですね。

口に入れた時に中心部が”冷たい”と感じたら、それはレアではなく、ただの”生焼け”で御座います。

と、言う訳で話を戻すと美味しいステーキなら”アメリカ産”の牛肉、部位的には”肩ロース”辺りがリーズナブルかと思います。

勿論、サーロインやヒレ、究極的にはTボーンこそ至高ですが庶民の金銭感覚で450グラムの牛肉となると、なかなかサーロインまで頑張れない可能性は否めません。

ちなみにオーストラリア産、すなわち”オージービーフ”も有名ですが、今でこそグレインフェッド(穀物肥育)もありますが、グラスフェッド(牧草飼育)だと脂が少なくステーキに向いていないので、そこら辺の違いが分からない人は、素直にアメリカ産牛肉一択で良いと思います。

「肉を室温に戻せ!」は地雷

まず、ステーキの焼き方を解説している記事で「肉は必ず室温に戻す事!」って書いてあると、相当な確立で地雷ですね。

そもそもが室温って何度だよって話でして、エアコン無しなら夏は35度だろうし冬は10度ってのも有り得ます。

「幅、広すぎじゃね?」

よしんばエアコンを常に使っている前提で”25度”を室温とするなら、それは室温ではなく”温度は25度”とすべきではないでしょうか?

ですので筆者の推奨は”冷蔵庫から出して普通に調理する”って感じで御座います。

冷蔵庫ならどの家でも温度は3度前後ですので、一年を通して肉の温度があまり変わらないんですよね。

逆に、肉を焼き始める時の肉の温度って適当で良くて、凍ってなければどうでもいいですw

肉に塩を振るのは調理前?

これもどっちでも良いですかね?

ステーキくらいの厚さがあると、調理前に塩を振ってもそんなに塩分は浸透しないし、塩を振って放置するとドリップが出るので、そこまでメリットがある感じではありません。

あと、鉄板に使う油ですが、牛脂でも良いしサラダオイルでも構いません。ただし胡麻油とか香りが強すぎるのは完全NGです。

ちなみに筆者も色々と試してみた結果、最近は塩は振らずに黒胡椒のみ、オリーブオイルで軽くマリネするのが定番となりました。

鉄板にもちょいとオリーブオイルを馴染ませますが、肉の方にもオリーブオイルを塗っておくと、なんか美味しく焼けちゃいます。

この方法だと肉を焼いている時に、肉の水分が蒸発するのを表面のオイルが防いでくれるって説もありますが、それよりも肉を返した時に焦げ付かないってのが最大のメリットかなと。

もっとも、筆者が推奨する本物の鉄板を使っていれば、張り付いて困るって事にはならないんですけどね!

あと牛脂だと美味しさがプラスされそうな気がしますが、動物系の脂は酸化しやすく重くなるので、むしろ某有名店だと逆に肉から出る脂を拭き取るくらいでして、必ずしも牛脂が最高って訳ではありません。

ビールで肉を柔らかくする?

あとは「ステーキを焼く時にビールを使う」ってのもインチキですね。

確かにビールの中には酵母が生きているビールもありますが、いわゆる国産のメジャーな銘柄、みなさんが普段飲んでいるビールってビール酵母は生きてませんw

しいて言うなら国産でもクラフトビールと呼ばれるビールの中には、ビール酵母が生きている奴もありますが、そこら辺の違いすら分からない輩が「ビール酵母で肉を柔らかく」とか笑っちゃいますよね!

100歩譲ってビール酵母で肉を柔らかくするなら、『ヒューガルデンホワイト』とか瓶の中で二次発酵させる、酵母が生きてる奴を使わないと無意味です。

ビール酵母が生きてないビールを使って”酵母のチカラ”とか、良く書きますわ。

まあ、彼らはソレっぽいワードをタイトルや記事に織り込んで、誰かが検索して引っ掛かれば目的達成なんでしょうけども。

あと、いかに酵母が生きていても、そんな短時間で肉は軟らかくなりませんw

ましてステーキに使う肉の厚さを考えたら、焼く直前や焼いてる時にかけた所でほぼ無意味でしょう。

あ、でもビールがあるとステーキが美味しくなるのは本当です。

冷たいビールを飲みながらステーキを焼くと、ステーキを食べる前の”下地が出来上がる”のでオススメです。

ちなみに筆者、缶ビールは缶のまま飲みたい派なので、コチラのアイテムを使ってます。

缶が結露して水滴が落ちる事もないし、保冷効果が全然違うので”ながらビール”には最適のアイテムかと存じます。

「弱火でじっくり焼け!」は地雷?

最近、逆説的に「ステーキは弱火でじっくり焼け!」みたいなのも有りますが、それはナンセンスでしょうか?

確かに60度を境にタンパク質がって話はありますが、ローストビーフじゃあるまいし、ステーキ程度の肉厚で弱火で焼いたら、逆に表面はバサバサになっちゃいますよね。

それに弱火だと肉を最初に置いた時、ひっくり返した時にくっつきやすくなりますし。

つまり、ぶっちゃけ”弱火しか使えない環境の人が仕方無くやる調理法”でして、決してステーキをより美味しく焼く為の調理法ではないと思います。

ミディアムレアを目指せ!

ま、そこは好みで良いのですが、物凄く大雑把に平均して美味しい状態ってのは”ミディアムレア”って感じなので、そこを目指してみましょう。

筆者の場合、鉄板を乗せてコンロの火を強火、冷蔵庫から肉を取り出して黒胡椒を挽いて、オリーブオイルを塗りたくってると、鉄板の予熱が終わって煙が上がる感じです。

そしたら鉄板に油をひいて肉を投入します!(強火のまま)

強火ですので、かなりの勢いで肉が焼けて焦げ目と言うか色が付きます。(時間にしたら30秒も無い感じ)

ここら辺、コンロの火力や鉄板、肉の状態もあるので”何秒”とは言えませんが、焦げる直前の焼き色を意識して、しっかり焼いてやるのが肝となります。

無論、肉を押さえつけたりしてはいけません。

肉は終始触らず見守るのが肉料理の鉄則で御座います。

ま、肉が焼ける感覚は臭いとか煙の量、音で判断するのですが自信がなければ肉の裏をちょっと見て肉眼で確認して下さい。

返して5秒で火を止めて良し!

これぞ極厚鉄板ならではの技でして、なんなら返した直後に火を止めても問題ありません。

フライパンとは比較にならない蓄熱量があるので、余熱だけでステーキの1枚くらいは焼けちゃいます。

肉を保温せよ!

ここら辺からも大事でして肉と言うと焼きたてが一番美味しそうなイメージですが、実はステーキの場合は焼きたてを切ると肉汁が大量に流れ出てしまうので、ちょいと冷ますと言うか保温して寝かせるのが最良とされています。

とは言え、皿に乗せて放置すると表面が冷めちゃうので、アルミホイル等を使って保温するのが一般的です。

ま、店だとランプがあって保温しつつ休ませる事が出来るのですが、流石に筆者もそこまで用意するのはノーサンキューで御座います。

そこで、筆者の場合は”かぶせ”と呼ばれる鉄板焼き用の蓋をします。

この時間でステーキをレアからミディアムレアに、かつ肉をちょいちょい休ませます。

ちなみに途中、ちょいちょい肉の様子を見ながら蓋を取ると良いですね!

蓋を取ると冷めちゃいそうですが、鉄板自体はまだ熱いので全然大丈夫です。

同時に水蒸気を逃がす事で、水滴が肉に落ちるのを防ぐ効果もあります。

で、何分後に完成なのかって話ですが……そこは野生の勘としか言えませんw

ここら辺が肉を焼く事の神髄と言うか、簡単なようで難しいポイントでして、最後にモノを言うのはセンスかなと。

もっとも、10分とか置いておくと鉄板の余熱だけでも”ウェルダン”に焼き上がっちゃうので、大雑把に鉄板の上で蓋をして4分、皿に盛り付けて岩塩をゴリゴリして2分って感じですかね?

皿に盛り付けて完成!

皿に盛り付けたら岩塩をゴリゴリ降って完成です。

わざと皿の方にも岩塩を散らして、塩気が足りない時とかアクセントが欲しい時に使うとイイ感じです。

あとはマスタードとか、本ワサビ(チューブじゃない奴)があると、より幸せになれると思います。

ま、レアで食べるなら皿に乗せてから蓋をして寝かせ、ウェルダンなら鉄板の上で蓋をして10分でウェルダンになります。(この肉ならば)

すでに鉄板の火を止めているので、必要以上の焦げ(黒コゲ)にはならないので、後は余熱で肉に熱が伝わる感じをイメージして、そこにだけ集中すればOKですね。

下手な小細工なんとやら

今回、肉も30㎜くらいの厚さがあるのでスジ切りもしていないし、肉を叩いたり穴開けすらしてません。

確かに肉を叩いたり穴を開けると肉の線維がほぐれて柔らかくはなりますが、同時に肉汁も流出しやすくはなるでしょうか?

どんなに柔らかくても、噛んだときに肉の旨味が広がらないステーキは駄目だと思うんですよね。

火は終始強火、肉をひっくり返したら火を止めて蓋をし余熱で、目的の焼き加減に仕上げています。

つまり、火加減どうのとかスジ切りがってのは、安くて薄っぺらい肉をどうにかしようって時の小細工でしかなく、最初から最良の道具とステーキに適した肉を用意すれば、なんの苦労もなく美味しくなるぞと。

技術云々を遙かに凌駕する、圧倒的な肉、最高の道具を揃えるのが実は一番簡単で、かつ美味しいステーキを食べる方法と言えます。

逆に、安くて薄っペらい肉とテフロンのフライパンでは、プロが頑張ってもそこそこのステーキにしかならない可能性……あると思います。

まあ、どうしても家族分の牛肉をってなると、アメリカンサイズは揃わないかもですが、その様な時でもちゃんとした鉄板があれば、フライパンよりは美味しいステーキは焼ける訳でして、ショボい道具を使うメリットは何一つないと断言しておきましょう。

確かに初期投資で1~2万円くらい必要かもですが、このくらいの鉄板なら一生使えるし、普段は立てかけておけば場所も取らないし、お好み焼きとか焼きそばとか焼き飯でも無双するので、一家にひとつあっても良いんじゃないでしょうか?

勿論、ここまでの道具があれば修行を積む事で、限りなく”プロの味”に近づく事が出来ると思うので、本気で肉と向き合う心意気があるなら、本当に美味しいステーキを家で焼くのも夢ではありません。

ちなみに鉄板は小さいサイズも売っていますが、大きい方が炒飯とか焼きそばの時に便利です。

コンロにドンと乗せておいて、片側だけ火を付けて使えばガッツ石松(OK牧場)で御座います。

と、言う訳でみなさんもネットに氾濫している「簡単、お手軽、フライパンで美味しいステーキ」みたいな妄想は捨てて、ちょっと本気の鉄板を買ってみて下さい。

あと、大事な事を最後に言うパターンですが、あえて言おう!

「100の嘘と言ったな? あれは嘘だ。」

以上です。

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