そろそろ”キュレーションサイト”は死すべき
それとなくTwitterを眺めていたら、ライターの”よっぴー”氏のリツイートで”フォーリンデブはっしー”氏のツイートが流れていた。
で、見てみたリンクの先が『RETRIP』の記事である……。
先年の『DeNA』騒動から半年、多くのキュレーションサイトが閉鎖されたのだが、今でもパクり続けているサイトは多く存在する。
そのひとつが『RETRIP』ではなかろうか?
やっている事は『DeNA』騒動の根源となった『WELQ』やら『MERY』と同じで、ネット上に公開されている写真を使って、取材もせずにキュレーターと呼ばれる”捨て駒”達に文章を作成させている。(あえて記事とは表現しない)
そして、それをさも「ここは最高ですよ!」みたいに煽ってみたり、SEO対策で検索エンジンの上位に表示される様にして、PVを集めて広告収入を荒稼ぎしている訳です。
勿論、『WELQ』に関しては記事のほとんどが事実無根、ネットで噂レベルの事を”医療記事”として扱っていたので完全NG、真っ先に閉鎖されました。
では、あの『MERY』はどうなのかと言うと、こちらも写真の著作権を確認した所、7~8割が問題と言う事で記事の大半を削除し閉鎖されました。
と、なっていますが『MERY』に関しては、再スタートするとかしないとかって話もあり、ほとぼりが冷めた頃にしれっと復活する予感です。
パクり記事の何が悪いのか?
現在、多くのキュレーションサイトは写真を『Instagram』、『miil』や『食べログ』など特定の場所から引っ張っています。
恐らくこれらの会社から写真の使用許諾を取っていると思われ、もしも許可を取っているなら問題はありません。
例えば『Instagram』に投稿した写真は『Instagram』の方でも自由に使えるので、その写真を他のサイトで掲載する事を『Instagram』側が許可した場合、例え貴方がアップロードした写真でも、他のサイトで使われてしまっても文句は言えません。(Instagramの利用規約にも書いてあります)
ですので、一般のサイトから無断で引用(厳密には引用ではなく盗用)してた『DeNA』のキュレーションサイト群と違い、『RETRIP』とかは生き延びています。
ちなみにパクりサイト、もとい諸悪の根源と呼ばれている『NEVERまとめ』に関しても、一般のサイトから写真をパクってパクってパクり倒しているのですが、ちょっと前に「過去の記事を見直す事はない(キリ」みたいな宣言をして、その後「著作権的に問題がある時はキュレーター(書いた人)の情報を公開するので、勝手にどうぞ!」みたいな逆ギレ宣言をしています。
ま、この手のキュレーションサイトは利用規約に「記事の問題があった場合の責任は書いた人が負う」みたいな一文が必ずあるので、最初から訴えられたら切り捨てる気満々だったりするんですけどね。
”フォーリンデブはっしー”氏の名前を使った件
と、言う訳で恐らく問題になった、いやこれから炎上する(もしくは削除される)記事は何が問題だったのでしょうか?
『Instagram』からの写真を掲載している事に関しては、『Instagram』側の許可が取れていれば何の問題もありません。
実際には店に行っていないけれども適当に推している件……これもクソ記事ではありますが、クソ記事でも法を犯している訳ではないので、記事自体がクソな点を除けばセーフです。
確かに検索エンジンで上位に出ちゃうので邪魔でしか無いのですが、そこら辺は合法ですので諦めるしかありません。
問題は今回、”フォーリンデブはっしー”氏の名前をタイトルに入れている事でしょうか?
これは筆者の記憶が正しければ完全にアウトです。
芸能人の名前に関しては登録商標……ではありませんが、ブランドとしての効力が認められているので勝手に使う事は出来ないはずです。
それが自動車の名前、お菓子の名前、例え記事の名前(タイトル)であってもNGです。
逆に、田中とか鈴木であれば芸能人の名前とは言い切れず、一般人の名前である可能性もあるので使えますが、さすがに”フォーリンデブはっしー”は駄目でしょう。
さも、”フォーリンデブはっしー”氏がオススメしているみたいな記事ですが、まったく関係ない人が勝手に芸能人の名前をタイトルに入れて書いているだけで、多くの人に誤解を与えるキング・オブ・クソ記事です。
しかし、ぶっちゃけキュレーションサイトの記事の大半は嘘ばかりでして、誤解を与えるのは日常茶飯事、むしろ大袈裟でキャッチーな”釣りタイトル”で数字を稼いでいるので、奴らの常套手段とも言えます。
と、言う訳で写真は『Instagram』から『RETRIP』が使用許可を得ているなら問題なし、芸能人の名前を勝手に使ったのはNGって判定ではないでしょうか?
ま、確かに”フォーリンデブはっしー”氏がオススメした店の写真を集めているので、タイトル的には微妙にグレーですけどね。やっぱフルネームは駄目だと思います。
結局、キュレーションサイトは無くならない
ネットで検索した時に上位に検索され、多くの人がそれをクリックしてしまう限りは永遠にキュレーションサイトは無くなりません。
写真を盗用されて訴えようとしても、かなりの手間ですので本気でやらないと損をします。(逆に本気でやると勝てる事も)
大抵はしれっと記事を削除して、あとは知らんふりをするか、書類を送れだの写真の著作権がある事を証明しろだのと手を煩わせて諦めさせる作戦です。
仮にそこから先に進んでも、結局はキュレーターを切り捨てるだけで本体の方は無傷です。
また、最悪キュレーションサイトの運営者側が訴えられたとしても、さんざん引き延ばして、さらにクソ盗用記事を乱発して金を稼ぎ、最後は計画倒産、もしくは会社を売却して終了で御座います。(あれ、最近こんなのなかった?)
そして、新しく看板の変わった会社で同じ事を繰り返す……と。
ちなみに親会社が韓国系な『NEVERまとめ』に至っては、日本で失敗したと言う不名誉を残したくないので絶対に自分達の非は認めません。
編集の段階や記事公開後に著作権的に問題があると分かってもすっとぼけて公開、クレームが来たら記事だけ削除、あとはキュレーターを訴えるなりお好きにどうぞ的な対応で、多くの人から反感を買っています。
実際、多くのキュレーションサイトが閉鎖されて喜んでいるのは、一般のサイト管理人(作者)ではなく、これら居直り続ける最悪のキュレーションサイト群ではないでしょうか?
利用者がいる限り無くならないキュレーションサイト
結局、クソサイトと知りつつも検索で表示されたら見ちゃう人が大半でして、多くの人は使われている写真が盗まれたかどうか、ちゃんと取材しているのか等は気にしません。
「自分が欲しい情報を無料で得られればOK!」
って感じで、良くも悪くも今のネット社会を表している感じでしょうか?
結果、本来であればその写真を撮った人のサイトが検索で上位に表示されるべきですが、現実にはキュレーションサイトが上位に表示され、評価されるべき”クリエーター”側にはお金が回らない悪循環が蔓延しています。
これをどうにか断ち切ろうとして、去年からあれこれ問題提起されたのですが、現状は『DeNA』騒動の前と大して変わってないんじゃないでしょうか?
ちなみに騒動直後は、キュレーター募集みたいな広告も減りましたが、今は騒動前と同じくらい募集がかかってます。
「毎月、記事を書いて3万円!」とかありますが、良く読むと”100本で3万円”みたいな低額報酬でして、実質やる事もキュレーションサイト向けに、指定されたワードと指定されたサイトからの写真を引用して、それっぽい記事を沢山書けって感じです。
つまり、ここ最近は再びキュレーションサイトが活発になって来たって事ですね。
これが「最後の荒稼ぎ!」みたいなのなら、時間の問題だから良いのですが、実際には大手のキュレーションサイトが手を引いたので、その隙間に入ろうと言う”火事場泥棒”みたいな現象だと思うので、今年は新しいキュレーションサイトが増えるんじゃないかなと筆者は睨んでいます。