肉の日なので肉カレーを食べてみた
ひょんな事からトリミングした豚肉の切れ端、すなわち”切り落とし”的な何かをGET WILDしたので、豚汁にしようかカレーにするか3秒悩んだ結果、保存しやすいカレーを作る事にしてみた次第です。
だが、しかし!
無料で貰えるから400グラムもあれば御の字と思っていたのですが、実際に計量してみたところ2400グラムほどのボリュームだった可能性……あると思います。
と、言う訳で誰もが一度は考えた事のある「肉だけカレー」的なのを作ってみる事にしました。
『肉カレー』の材料
豚肉の切れ端……2400グラム
ギャバンのカレー粉……1袋(20人前)
トマト缶……1缶(400グラム?)
タマネギ……2個
塩……それとなく
黒胡椒……気分で
ガラムマサラ……ノリで
カイエンペパー……ついでに
水……1リットル前後?
当初、本当に肉だけでカレーを作ろうと思ったのですが、それはチョット微妙な仕上がりが予想されるので、本当に必要最低限なタマネギを2個だけ入れました。
トマトの缶詰は焦げ付き防止とカレーの保存性を良くする為に入れます。
肉を炒めるだけで小一時間だ……と?
と、言う訳でざっくり準備したらメインの肉を下ごしらえします。
言うても豚カツ屋さんの切り落としですので、やはり形は大きさはバラバラでして、とりあえず手頃な大きさに揃えます。
とは言え、前に市場で買って来た豚肉の切り落としに比べると、遙かに上質な豚肉様でして、スジ肉っぽい部分はかなり少なかった事を報告しておきましょう。
ま、この切り落としを見れば、その豚カツ屋さんの肉ヂカラが分かるって感じですかね?
余計な脂身とかは豚カツ屋さんの場合は外しますが、その脂身すらもカレーならば食材として利用出来ます。
しかし……大きな塊を細かくすると、ますますボリュームが増す感じでして、これは炒めなかったら鍋(4リッター)に肉が入りきらなかったかもですな。
ほぼ全ての豚肉を黒胡椒で炒めた結果がコチラとなります。
ん~……これはカレーと言うよりは完全に肉料理じゃなかろうか?
豚の旨味を全て使いたい
ま、これだけの豚肉を炒めると脂もかなり出ます。
んで。
店で出すならコレは捨てて新しい油を使う所ですが、今回はかなり上質な脂身だったのでコイツを使ってタマネギを炒めます。
塩はココで使いました。
ま、肉側に塩でも良かったのですが、タマネギに塩を加えた方が水分の出が早いので。
カレー粉の種類にもよりますが、今回のカレー粉は塩分ゼロですので、肉の量をイメージしながら塩を加えます。
ま、どうせ溶けて無くなってしまうので炒め具合は適当で!
狙い通りタマネギが脂を吸収して良い感じになりましたね。
徹底的に豚肉を使いたい俺がいる
と、言う訳で通常はフレッシュなオイルで作るのですが、今回は豚肉の美味しさを100%出したい感じですので、脂身の部分から再びカレー粉用の脂を抽出します。
そして!
ここで通常であれば市販のカレールーを使っちゃう感じなのですが、カレールーには牛脂とか色々なモノが入っていて、それが美味しさの秘訣ではあるのですが、今回のテーマにはノイズでしかないので、もっともピュアなカレーが作れる『GABAN手作りカレー粉セット』を使います。
ま、使った事がある人ならば知っているとは思うのですが、あえて言おう!
「スパイス、多すぎるねんと!」
もう袋を開封するだけで疲れるレベルのスパイスが小分けされておりまして、コイツを開けてるだけでスパイス・ハイになれる可能性……あると思います。
ま、ざっくり書きますと”ターメリック、クミン、コリアンダー、チンピ、フェネグリーク、フェンネル、シナモン、カイエンペパー、ガーリックグラニュー、ジンジャー、ディル、オールスパイス、カルダモン、クローブ、スターアニス、セイジ、タイム、ナツメグ、ブラックペッパー、ベイリーブス”で御座います。
このスパイス一覧を見て、大体分かっちゃう人はカレー沼にハマってる人だと思いますが、これだけのスパイスを個別に買うとスゲー金がかかるので、そこはギャバンの奴を買った方がベターですかね?
で、これらスパイスを脂を使って適当に炒め、カレー粉を作ります。
まあ確かにS&Bの”赤缶”を使えば一発なんですけれども、このスパイスを炒める行程が「俺、カレー作ってるんじゃね?」みたいな高揚感と言うか満足感を満たしてくれるので、本気でカレーを作る時はギャバンがベストチョイスです。
勿論、スパイスは炒めた直後が風味MAXでして、そこら辺でも”スパイシーなカレー”となる訳です。
ちなみにギャバンのは辛口ですので、確か説明書にも書いてありますが、辛いのが苦手な人はカイエンペパー(唐辛子)を控え目にしたら良いかなと。
分量20人前ですので、カレー4リットル……ま、10人とか12人前としてリッチなカレー(濃いカレー)って事で7割くらいを残し、残り3割はビニール袋に入れて空気を抜き冷蔵庫で保管します。
残ったカレーをカレーベースに
で、フライパンに残ったカレー粉に湯をさしてカレーベースを作ります。
ま、これはカレー粉を溶かすだけなんで一瞬で作れる訳ですが。
ちなみにギャバンのカレー粉は小麦粉とかが入っておらず、ガチにスパイスだけのカレー粉ですので、結構濃い目な感じに作る事も出来ます。
実際、市販のカレールーですと少量の湯では溶かしにくいので、今回は鍋のスペースと使う水の量を考慮して、ギャバンをチョイスしたとも言えますな。
いざ煮込むべし!
ここまでで約2時間、思えば長い道のりでしたが、やっと煮込む段階に入ります。
カレー粉は濃い目で溶いてあるので、このままだと水が少ない為、ちょいと湯を足して肉が浸るレベルまで調整します。
ちなみに今回、トマト缶を使っているので水は計1リットルくらい使ったかもですな。
あとカレーとか”灰汁とり”とか超頑張る人とか居ますけれども、筆者はそんなに気にしない派でして、ぶっちゃけ今回は灰汁取りゼロで御座います。
黒い灰汁は血の塊と言うか悪い奴なので取りのぞきますが、今回の豚肉はかなり上質だったのでその必要が無かったぞと。
で、通常このまま数時間煮込む訳ですが、そこは必殺の”真空保温調理鍋”的なアイテムを使っておきましょう。
ま、予熱で調理する感じの鍋ですが、このシンプルな構造で煮物とか”おでん”とか汁物が美味しく作れるし、火から下ろしている為に焦げ付かない、ガス代も節約出来るみたいなメリットがあるので、一家に一台あっても損はありません。
(普段は普通の鍋として使えますし?)
ただし、電気式の保温鍋と違い少しづつ冷めてくるので、腐敗しやすい温度(50度以下)になったら保温ケースから出して、蓋を外して冷ます必要があります。
ま、煮物とかって冷める時に味が染みるので、料理的には電気式よりも美味しく出来るんですけどね。
一晩寝かせてナンボである!
スパイスが馴染むまでに一晩置いて、翌朝再び加熱します。
ま、味の方は染み込んでいるのですが、やはりスジ肉っぽい部分もちょっとあるので、スジ肉を柔らかくする為にもう1回煮込みます。
ちなみに真空保温調理鍋はナイスなのですが、唯一の欠点と言うか最初しか加熱しないので鍋の中が対流しない事は覚えておきましょう。
シチューとかの煮込み料理の場合、この対流が肝でして、液体と言うかスープが下から上、上から下へとグルグル対流する事でスープに深みが出ると言うか、乳化なども進む訳ですな。
そして!
ここで追いスパイスとして”ガラムマサラ”を投入し、ついでにカイエンペパーもプラスで追加。
で、再び保温します。
量多すぎる問題勃発
そもそも肉2.4キロとか業務用レベルだろがって話でして、確実に1人で食べるのは無理ゲーな可能性……あると思います。
と、言う訳で三等分して2つを冷蔵庫に、残りはビリヤニにして冷凍します。
そんな感じで鍋の残りのカレーでビリヤニを作ります。
え~、ビリヤニを知らない人とか普通にいるので3行で説明しますと、まあインドの炊き込み御飯とか、ドライカレーっぽい何かと思って頂ければ幸いで御座います。
まずジャスミンライスを炊きます。
厳密には炊くと言うよりも”煮る”って感じなのですが、8割くらい火を通して湯を捨ててカレーの鍋に入れます。
んで、そこにカレーを再び上からかけて軽く炊きます。
炊き過ぎると焦げるので、ここら辺は馴れと言うか経験ですが、カレーの水分量に合わせてタイ米を茹で上げるって感じでして、馴れないと難しいかもです。
あとカレールーとか使うと小麦粉のトロミが邪魔なので、やはり本格的なインドカレーと言うかエスニックなカレーで作るのが肝ですかね?
さらに細かい事を言うと米を最初からカレーで炊く方法とか、カレーと米を何層にも重ねるとかあるのですが、ざっくり作るとこんな感じで御座います。
カレー粉が入っていて焦げやすいので、コンロでの加熱は必要最小限、あとは”蒸らし”の行程で仕上げる感じにすると失敗が少ないですね。
で、蒸らし終わったら上下を軽く混ぜて完成です。
蒸らしの最初の加熱の時、カレーの水分が無くなるまでは強火にしていれば、わりと全体的に混ざるので、上下を返すのは米の水分加減を調整する為だったりします。
あとは小分けにして冷凍しておくと、レンジで温めるだけでビリヤニが食べられるので、カレーが余ったらビリヤニにすると便利かなと。
カレーライスだと米とカレーを別々に温める必要がありますが、ビリヤニならば単体で完成しますからね。
肉カレーライスを食べる
あれこれ作ってるうちに本来の目的を忘れていた感じですが、せっかくですのでカレーライス形式でも食べてみますかね?
ま、こうして見ると肉感が半端ねぇですな。
全ての塊は国産の豚肉でして贅沢にもほどがあるって感じです。
ライスは再びジャスミンライスを使います。
ちなみにタイ米って聞くとスゲー安いイメージかもですが、このジャスミンライスは高級品でして、下手な日本の米よりも高い事はアピールしておきたいですね!
結果、圧倒的な肉の山……最高か?
(右半分は全部、肉です)
気になる味の方ですが、かなり本格的なスパイスカレーでして、辛さも追加したのでまさにホットなカレーと表現出来ると思います。
肉の方も美味しい感じでして、スジ肉の部分も柔らかく、赤身の部分も再び柔らかくなった感じでして、煮込み加減は丁度良いですかね?
特にカレーの場合は豚の脂身すらも具として生きて来るので、素材を全て使う事が出来るって意味ではベストだと思います。
ってか、このカレーが染みた脂身の部分が一番旨い可能性……あると思います。
かなりボリューム満点な昼飯ですが、ジャスミンライスと言うか”長粒種”は米がサラっとしているので、さらさら食べられるから余裕で御座います。
ご馳走さまでした!
『肉カレー』総評
個人的には狙い通りのカレーが作れたので満足ですが、やはりカレーはもっと野菜を溶かし込んだ方が美味しいと思った次第です。
例えば香味野菜であるニンジン、タマネギ、セロリの要素は必須かなと思うし、それらの旨味がより豚肉の美味しさを引き立ててくれるかなと。
とは言え、本当に必要最小限の構成で作った”肉カレー”も、ソリッドな旨さと言うか味がストレートな分だけハマる要素はありますね。
まったく味は違うのですが、大量に豚肉を使ったので”モツ煮”みたいな肉々しい感じと、ほぼ豚肉だけで抽出されるスープ的な旨味は病み付きになるかなと。
しいて言うならまともに材料を買いそろえると肉だけで3000円超えるので、滅多に作る機会は無い訳でして、誰か僕に肉を下さいって結論でFAで御座います。
ま、とりあえず子供の頃の夢であった「肉いっぱいのカレーを食べる!」と言う願いは成就したので個人的には満足であると。
と、言う訳であれこれあった訳ですが、とにかくカレーを作るなら『GABAN手作りカレー粉セット』は神ですので、是非みなさんも試してみて下さい。