『味の大西 高麗店』でワンタンメンなど如何でしょうか?@小田原系ラーメン

『味の大西 高麗店』でワンタンメンなど如何でしょうか?@小田原系ラーメン

小田原系ラーメンって知ってます?

昨今、ラーメンブームも一周過ぎてB級グルメブームが訪れ、そのB級グルメブームの流れで”御当地グルメ”みたいなのが流行り、結果として”地ラーメン”的な御当地ラーメンが流行った風ですが、あえて言おう!

「まあ、アレって適当ですからねと!」

メディアの片棒担ぐ筆者が言うのもアレですが、こういうブームみたいなのって適当でして、盛り上げて流行らせたもん勝ちみたいな側面があります。

と、言う訳で昨今は”小田原系担々麺”みたいな言葉も出回り始めましたが、ぶっちゃけソレはダメですよと。

まず、そもそも小田原ら辺で担々麺ってそんなに流行ってないですし?

先駆者として”小田原系ラーメン”ってジャンルが、遙か昔から確立されているので、今更そんなモノを流行らせようとしても、この湯河原生まれ、ちょっと大阪からの町田育ち現相模原市民の筆者の目が黒いうちは絶対に許さないし認めない所存で御座います。

ってか、地ラーメン的なのもわりと後から言い出した感が否めないのですが、何気に小田原系ラーメン、すなわち『味の大西』(創業昭和30年頃)は歴史が古く実質、湯河原から小田原にかけてワンタンメンを軸にラーメン文化を定着させた実績があります。

ちなみに2000年代初頭くらいまでは、『味の大西』もちょいちょい都心に向けて進出したのですが、結局は衰退して今に到る過去があるんですよね~

ここら辺、『味の大西』は「本店の血縁者しか看板を掲げられない」と言う鉄の掟があった為に衰退したのが現実でして、実際に『味の大西』本店で働いていた人達、実質ラーメンを作っていた職人達が独立しても、『味の大西』の看板を使わせなかったのは希に見る”愚策”で御座います。

結果、今は『味の大西 高麗店』も店主が高齢の為に営業時間もこんな感じ。

ちなみに座敷もあるのですが、そちらは完全セルフサービス(自分でラーメンを取りに行く)だったりします。

まあ、『味の大西』は何十年働いても血縁者以外は看板出せないので、若い人が働こうってラーメン屋では無いですよね~

『ワンタンメン』1100円

こんな感じで、どうでしょう?

とりあえずスープがダクダク過ぎてトレーの上に溢れまくりですが、まあトレーで受けているのでダメージは少な目でしょうか?

言うまでも無く小田原系ラーメンと言えばワンタンメン(チャーシューワンタンメンではない)が王道でして、やはりワンタン食べてナンボかなと。

ビジュアル的には『味の大西』らしいグラフィックでして、真っ黒なチャーシュー、三つ葉、餡のぎっしり入った大きなワンタン、厚い油の層、ブラッキーなスープなどなど、流石に『味の大西』らしい一杯かと存じます。

ま、小田原系ラーメンマニアから言わせて頂くと、この『味の大西 高麗店』はチョット、メンマの色が薄いかなとは思いますが、そこまで気が付くマニアも少ないので、なんら問題ないと思います。

ちなみに小田原系ラーメン、基本的に”室伏製麺所”の平打ち縮れ麺を使ってナンボですが、今はソレっぽいのを他の製麺所に特注している店も少なくないです。

さらに!

麺量が多いのも特徴でして、普通盛りで他店の大盛りくらいのボリュームがあるので要注意です。

さて。

筆者的には初めての『味の大西 高麗店』ですが、気になる味の方はどんなもんでしょうかね?

まずスープの方ですが……単純に薄いっすね……。

リーンと言うよりは出汁感が足りない方の薄さでして、豚骨清湯ガッツリ醤油スープの小田原系ラーメンとしては、かなりライトな感じで御座います。

とは言え、そこは魔法の粉を2種類ガッツリ(本当にガッツリ)入れているので、それなりの味にはなっていますが、本来の『味の大西』と言うか、全盛期の本店の味はこんなもんじゃねぇぞって思っちゃいました。

逆に醤油感も控え目ですので『味の大西本店』よか食べやすいかも?

とは言え、チャーシューの方は本店以上に塩っぱい感じでして、これは一体どういうバランス?

意外とオイリーな小田原系ラーメンですが、この『味の大西 高麗店』は比較的、ラード層も控え目かなと。

麺の方は”室伏製麺所”の麺箱もあったものの、他の製麺所の麺箱もあり、どっちなんだよ感が芽生えましたが、あえて言おう!

「麺……細くね?」

ん~……『味の大西』は”室伏製麺所”の麺があって完成される味でして、この『味の大西 高麗店』も確かに雰囲気は似ているのですが、明らかに細いので、ちょっとラーメン全体の雰囲気が変わって来てしまいますな。

だが、しかし!

ワンタンの美味しさに関しては文句無しでして、これはマジに『味の大西』のワンタンだと思います。

なんならワンタンメンではなく、『ワンタン』(950円)を食べるって選択肢も有りかもですね。

ご馳走さまでした!

『ワンタンメン』総評

筆者、離乳食替わりにワンタンメンを食べて育っているので、基本的に『味の大西』に関しては今現在、本店以外で食べる事はありません。

何故ならば!

他の『味の大西』は値段ばかり高くて味がイマイチなのだから!!

いや、筆者のソウルフードである小田原系ラーメン、その中核をなす『味の大西』をイマイチと書くのは本当にツライのですが、やはり大局的に見て、かつ第三者的な公平な視線で見た場合、『味の大西』グループは値段のわりには中身が伴っていないラーメンと言わざるを得ない可能性……あると思います。

(本店は比較的リーズナブル)

一応、フォローしておきますと、なんだかんだと『味の大西』各店はそれぞれの地域で確かに人気がある訳でして、ある意味「プルーフされた味」とも言えるのですが、ぶっちゃけ『味の大西本店』で修行された方達が独立して出した店の方が、遙かに値段も安いし味も上かなと。

勿論、人はそれぞれ味覚が違うし、慣れ親しんだ味ってのもプラス方向に働くのは否めませんが、他の店と比べた場合、想い出補正だけで美味しいを連呼するのは、チョット違うかなと思うんですよ。

実際、『味の大西』のワンタンメンがどんなもんか知らない人が、本店以外に行った場合「ラーメンの値段高くね?メチャ高くね?」って絶対に思うし、『味の大西』大好きマンの筆者も本店以外はクソ高いと感じていて、「いや、本店より2割3割高くて不味いとかねーわ……。」みたいな理由で食べない実績があります。

(一応、真鶴店以外は1回づつ食べてますが)

ここら辺、『味の大西』の看板にあぐらをかいた殿様商売でしかなく同じ味、むしろチョイチョイ美味しい小田原系ラーメンを提供する店に比べて、ラーメン屋としての努力が足りてないと言わざるを得ません。

ま、確かにボッタクリ価格でもそれなり地元の人が食べに来ているので、今でも商売としては成り立っている訳でして、それはそれで両者が納得してる値段って事になるので筆者が物申す領域では無いのですが、結果として『味の大西』は残念ながら将来的には滅びると思います。

と、言う訳で『味の大西 高麗店』も体調に不安を抱えながら頑張っているので、応援したい気持ちは山々ですが、思い入れがあるラーメンだからと言って「メチャ美味しいので是非!」みたいな嘘は書けないので、「まあ平塚ら辺くらいまでなら試しに食べに行ってもいいかな?」くらいのテンションの人は、食べに行ってみて下さい。

『味の大西 高麗店』大磯町

神奈川県中郡大磯町高麗3-1-15

営業時間 11:30~13:00

定休日 土日祝日

『味の大西』Googleマップで表示

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