ベーコン無くてもカルボナーラ食べたい!
厳密には「俺にベーコン買って来てくれ!」的な心の叫びではあるのですが、意外とカルボナーラを作ろうと思ったけれども、ベーコンが無いって時は多いと思います。
ま、料理する予定があるのならばパンチェッタと言うか”塩豚”(豚バラのブロックを塩漬けにした奴)を作っておくのですが、今回は突発的に食べたくなったパターンでして、かつ「ベーコンを買いに行くのは面倒なので却下する!」みたいな日曜日に有りがちなシチュエーションで御座います。
と、言う訳でどうにかカルボナーラが作れないものかと家にあるモノで考えてみたのですが、あえて言おう!
「正直、魚肉ソーセージしかないと!」
魚肉ソーセージでどうでしょう?
テナガエビを釣りに行く為に買った魚肉ソーセージが、このタイミングで活躍する可能性……あると思います。
ま、このまま作るんじゃアレですので、少しでもカルボナーラに寄せてみたいと思うので、まずは薄くスライスしましょう。
で、パスタを茹でる用の鍋を火にかけつつ、秘密兵器を用意します。
「ラードを使ってカリカリに焼けば魚肉ソーセージもベーコンになる!」
と、言う訳でラードを投入したフライパンに魚肉ソーセージを並べます。
この時、そのままブチ込むとわりと魚肉ソーセージ同士が重なりまくりで苦労するので、一番最初は綺麗に並べた方がベターでしょうか?
思ったよりもカリカリにならないので途中でラードを追加しつつ、さらに焼いて行きます。
スパゲティーニを茹で始めるべし!
ま、そこはスパゲティーでもスパゲティーニでも良いのですが、茹で上がり時間と魚肉ソーセージの焼き上がり時間が合う感じで進行します。
カルボナーラの素となるパルメザンチーズと卵(2個)を準備します。
さすがにチーズだけはスライスチーズとかじゃ代用出来ないので、これだけは冷蔵庫に常備しておきましょう。
ちなみに写真の奴が緑のヤツよりも安いのでオススメ!
あと卵ですけども普通に全卵(黄身&白身)で大丈夫です。
生クリームは入れなくても良いですし、生クリーム(動物性)が無いからと言って牛乳やコーヒークリームを使うのはマズメシへの第一歩ですので、下手なアレンジは厳禁で御座います。
あとパルメザンチーズをケチるとカルボナーラは上手く作れません。
チーズをケチると味的に薄いばかりでなく、ソースがシャバシャバになったり、熱が入り過ぎて”スクランブルエッグ”になりやすいので、カルボナーラでいつも失敗する人は、パルメザンチーズをケチってる可能性がありますね。
具体的には卵2個なら”大さじ3”くらい入れた方が味的にも失敗しません。
極端な話、大さじ4入れてもカルボナーラになりますが、大さじ2だとイマイチになる確率大でして、クックパッドとかの”素人ケチケチレシピ”はまったくもってナンセンスと言っておきましょう。
さらに塩と黒胡椒で魚肉ソーセージに下味を付けつつ焼き上げ、イイ感じになったらパスタの茹で汁をちょいと入れましょう。
塩はベーコンの塩っぱさを再現する為ですが、塩っぱくなり過ぎない様に注意しましょう。
黒胡椒は仕上げにも使うのですが、予め少量をソース側に馴染ませておくのは常套手段ですので試してガッテン!
んで。
この茹で汁を投入する事でフライパンの中にある”様々な旨味”を抽出する事が出来るので、この行程は必須で御座います。
多分、自分でカルボナーラを作って「何か物足りないな?」って人は、この行程を省略してるからですね。
で、このくらいまで煮詰めたらパスタを投入します。
勿論、このタイミングとパスタの茹で上がり時間を調整するのは言うまでもありませんが、難しければフライパンの方は先行して作り、途中で火を止めても良いでしょうか?
ま、パスタ料理って適当に作れる様でそれなりの技と言うか、いわゆる”ツボ”みたいな豆知識が必要でして、このフライパンに残っている水分と言うかスープが、パスタを入れた瞬間に結構な勢いで”パスタに吸われる”って事象を覚えておくといいじゃない。
普通にベーコンを炒めただけだとパスタとは混ざらないのですが、こうしてソース側に水分を残しておく事で、パスタの方に味が染みるって寸法です。
ここら辺、ほとんどのパスタ料理に共通ですので、コレを知ってるか知らないかで味に差が付きます。
ですので、パスタ料理はこの瞬間が命でして、パスタを投入した直後の数秒で勝負が決まると言っても過言ではありません。
この時ばかりはフライパンを使って全体的に綺麗に和える必要がありますからね!
で、水分が無くなったらすぐに火を止めます。
ナポリタンじゃないのでフライパンで炒めちゃ駄目!
「まだ慌てる様な時間じゃない」
で、ここら辺がカルボナーラの難しさなのですが、火を止めてすぐに先ほど作った”カルボナーラの素”を入れると、すぐに卵が固まってしまいます。
ですので、とりあえず1分ないし90秒は放置しましょう。
他にも卵&チーズの他に生クリームとか入れた場合は、これまた火の通り方が違うのでアレですけれども。
んで、カルボナーラの素をブチ込んだらゴムヘラで全体的に良く混ぜます。
この時、予熱で徐々に卵が固まって来ると言うか、粘度が上がって来るのでイイ感じになったら皿に盛り付けます。
で、最後に黒胡椒をガリガリと振って完成!
いざ実食!
ま、なんなら卵とパルメザンチーズだけで”カルボナーラモドキ”を普段から作っているので、今更味がどうこうは無いですな。
いつも通りの美味しさで御座います。
そして!
気になる魚肉ソーセージのベーコン感ですが、食べた瞬間は「おっ!」と思うのですが、やはり後味は魚肉ソーセージ感が出るので、ラードで焼き上げてもベーコンには及ばなかった事を報告しておきましょう。
本当はもっと綺麗にベーコンっぽく焼きたかったのですが、薄い魚肉ソーセージは反りまくるので、なかなか綺麗な焼き目は付きませんでした……。
ま、超本気出すなら魚肉ソーセージを焼く時に”重し”(ヤカンなど)を乗せて、プレスしながら焼くって方法も有りますが、そこまで頑張るならベーコン買いに行くわでFAかと存じます。
と、言う訳で残念ながら「魚肉ソーセージではベーコンの替わりにならなかった」って言う当たり前の結論になりますが、魚肉ソーセージを入れた事で味が落ちたって訳でも無いので、コレはコレで有りだと思います。
っていうか、原理主義者の筆者的には動物性の生クリームは別として、”牛乳やコーヒークリームを使ったカルボナーラレシピ”は往々にして地雷です。
筆者も牛乳はちょいちょい試していましたが、最終的には生クリームとかに頼らず、卵とパルメザンチーズだけで味を作れる様になると、それらは蛇足でしか無いと言う悟りに到達すると思うんですよね。
逆に言うとですね、牛乳はともかくコーヒークリーム(安いヤツ)とかコーヒーフレッシュって牛的な成分はゼロでして、植物性油脂(サラダ油的な)とか乳化剤、添加物系で作られているんで、ぶっちゃけ味的にはカルボナーラに寄せる役目すら無い事実を知っておくべきだと思います。
ですので、どこのレシピを見てカルボナーラを作るのも自由ですが、「カルボナーラはコーヒークリームでも作れる」とか書いちゃう人は、まったくもってカルボナーラが分かってらっしゃらないし、料理の本質とは何かすら理解出来てないと思うので、そのレシピサイトは信用出来ないと断言出来ます。
他にもカルボナーラのレシピなのに「生クリームを増量した方がコッテリになる」みたいな事を書いちゃうのもナンセンスでして、大事なのは卵とチーズだって事を改めて布教しておきたいと思います。
いや、マジで料理する人からすると超テキトーどころかデタラメな記事でも、それなり”イイネ!”とか付いちゃってるんで、「SNSで評価が良いレシピだから信頼出来る」ってのは100%間違いなので、情報過多な21世紀はそこら辺も注意して欲しいかなと。
そんな感じで話は長くなりましたが「カルボナーラ作ろうと思ったけどもベーコン無いわ~」みたいな時は、魚肉ソーセージにワンチャンあると思うので、是非みなさんも試してみて下さい。