”おでん”の季節、到来ですよ!
って事で、そろそろ今年も”おでん”を仕込んでみようかなと思った次第ですが、あえて言おう!
「簡単お手軽と言ったな?アレは嘘だ。」
だから料理に近道は無いっつうの!
基本、料理系の記事ってメッチャ簡単に美味しく作れる事をアピールしていますが、そんな簡単に美味しく作れるなら、世の中の飲食店の方々は苦労しないし、自分で簡単に作れるなら誰も外食しないだろ~
とは言え?
おでんの場合は、まあ大体は順番通りに入れて行くだけですんで、手間と言うか時間はかかるものの、難しくはないぞと。
ただし!
多分に簡単な”おでん”でもマズメシの達人なら、普通に食べれないほどに不味く作れるんで、とりあえずは「美味しい”おでん”の作り方」を布教しておこうかなと。
大根は下茹ですべし!
ま、大根も下茹で無しで使えるくらいのも存在しなくは有りませんが、基本的に大根は下茹でしないとダメなんで宜しくお願いします!
極一部の有名店では、大根の下茹でなしで使ってるパターンもありますが、それは特殊な例でして、多分に普通にスーパーで買って来た大根を下茹でなしで使うと、おでん全体が青臭くなって全滅するので覚えておきましょう。
無論、大根も季節によりけりで違うのですが最低でも1回、2回は茹でこぼす感じですかね~
多分、食べれない程に不味い”おでん”を作るとしたら、一番の原因は「大根の下茹でをしてなかった」ってのがあるのかなと。
出汁はインスタントでも可!
勿論、昆布やらカツオ節やらをガチに使うのも手ですが、実は”おでん”ってベースの出汁よりも、具材の方から出る出汁の方が多いので、そこまでベースの出汁にコストをかけても結果はそんなに変わらないぞと。
ま、普段から昆布とかカツオ節で出汁を取ってる人ならば、家に在庫もあるでしょうし遅かれ早かれ使うのですが、そこら辺の材料が家に無い人は、多分に買っても余らせてカビるのがオチですし?
って事で、今回は”シマヤ”の『焼き あごだし』をベースに作る事にします。
動物性の出汁も悪くない!
ま、おでん的には”牛スジ”とかを具として使い、トータルで動物性の出汁を補強するのがセオリーですが、あえて言おう!
「今は牛スジも高いからねと!」
なので、そこは単純にコストの問題もあるんで、今回は鶏の手羽元を使ってみた次第。
出汁としてなら、そのまま鍋に入れておいても良いのですが、今回は鍋もギッシリになる予定なので、手羽元は軽く出汁を取ったらオヤツで食べる方向で御座います。
結果!
アゴ出汁で煮た手羽元がメッチャ美味しかったので、思わず追加分も投入して、写真の2倍のオヤツを食べてしまった俺がいる!
あまり煮ちゃうと手羽元も味が抜けちゃうので、水炊きくらいのイメージ仕上げたら良いと思います。
”ちくわぶ”は下茹で必須!
え~、おでんとは味を重ねるモノですので、まずは味が入りにくいと言うか、味が染みにくい食材から煮込むのがセオリーで御座います。
って事で、まずは大根を煮つつ手羽元で出汁を補強、次に”ちくわぶ”を下茹でして投入しましょう!
言うまでもなく”ちくわぶ”って巨大な小麦粉のカタマリみたいな感じですんで、おでんを煮る温度だと火が完全に入らず、粉っぽさが残る説があるんですよ。
もっとも、工場出荷時にも加熱して仕上げられているので、そのまま食べても消化不良になったりはしないと思いますが、やはり小麦粉が美味しくなる温度までしっかり上げないとな訳ですし、おでんは魚の練り物を多く使う為、そこまで温度を上げたくないので、ちくわぶを下茹でしておくってのが答えかなと。
揚げ物は湯通しせよ!
多分、ここら辺も知らない人が多い情報だと思いますが、おでん界隈では各種の”揚げ物”(練り物とか豆腐系)は、必ず余分な油を切る為に湯通しするのが常識で御座います。
って書くと、多分に「いや、あの油が出汁になる!」とか言うメシマズ予備軍が居ると思いますが、ぶっちゃけ揚げ油の風味云々よりも、酸化した揚げ油の出汁に対する悪影響が無視出来ないんで、そこはしっかり湯通しして下さい。
あくまでも揚げ油なんで風味もほぼゼロ、むしろ”おでん種”の賞味期限が短いのって揚げ油の酸化とかが原因って説があるんで、湯通ししないのは100%間違いです。
ちなみに今回、BBQ用に買ったコチラのトングが大活躍でして、これは布教しておきたいぞと。
筆者、かなりのトングマニアで色々と持っていますが、これがシンプルで洗いやすくて掴みやすいですね~
茹で玉子もしっかりホールド出来るので、おでん作りでは必須かなと。
”おでん”における玉子問題!
おでんに玉子は必須でして、ココら辺は侮れない具材な訳ですが、あえて言おう!
「玉子は別に仕込むべしと!」
多分に具材の中では最も味がしみにくい玉子なので、そこは濃い目の出汁を作っておいて、そこに漬けて冷蔵庫で一晩寝かせるのが吉で御座います。
ま、玉子の黄身がモソモソになっても気にしないなら、そのまま大根とかと煮込んでも良いのですが、やはり長時間加熱すると黄身も黒ずむんで別仕込みがベスト。
味が抜けやすい具材は最後に入れるべし!
え~、大体は”ちくわぶ”を入れるトコロまでで半日弱、昼から仕込んで夜って感じですが、あえて言おう!
「スジは最後に入れるべしと!」
”すじ”と言うても牛スジではなく、いわゆる練り物なのですが、コレと”ちくわ”はわりと味が抜けるのが早いので、ここら辺は最後の方に入れるべきかなと。
世の中には「煮物は煮れば煮るほど美味しくなる!」みたいな間違った認識の人が多いのですが、煮ると素材(具材)の味は必ず抜けるので、必ず味のピークを計算と言うかイメージをしないとダメだぞ~って。
無論、煮汁と言うか出汁から具材に染みる味もありますが、具材が失った風味は戻って来ないんで、それぞれの具材の個性が無くなる程に煮込むのはナンセンスかなと。
なので今回は”ちくわぶ”の後に小一時間保温調理して、その後に再び温度を60度くらいまで上げて”すじ”と”ちくわ”を投入、5分ほど煮て火を止めて冷まして味を染みこませます。
ちなみに”煮物”は煮てる時ではなく、冷める時に味が染みるんで覚えておきましょう!
いざ実食!
って事で、翌朝に冷蔵庫で別仕込みした玉子を合流させ、鍋を火に掛け60度くらいまで温めて完成……と。
結果!
まあ、美味しく食べれちゃう感じでして、やっぱ冬は”おでん”最強かなと。
ご馳走さまでした!
おでん 総評
多分に独り暮らしですと”おでんセット”みたいなのとか、最初から出汁入りの1人前用パックを買っちゃうかもですが、ああいうのって値段相応、中身の練り物とかもグレードが低く美味しくはないんで、やっぱ自分で作るのがベストかなと。
って事で、とりあえず超ザックリ言うと「大根は下茹で、揚げ物は湯通し」くらいを守れば、最低限の味はプルーフされるんで、是非みなさんも”おでん”を作る時は、そこら辺を思い出してみて下さい。